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ダブルスタンダード
北朝鮮の人権侵害は「きれいな人権侵害」

東亜日報 NOVEMBER 01, 2005 03:02

国連の人権決議案、韓国政府の二重スタンスに批判の声

韓国政府が今月初旬、国連総会に上程される予定の北朝鮮人権決議案表決で棄権する可能性が高まっているなか、国際社会の一部から「韓国政府が人権問題について『ダブル・スタンダード』を適用している」と批判する声が上がっている。

これまでジュネーブ国連人権委員会に3度も上程された北朝鮮人権決議案の表決で、いずれも棄権している韓国政府が、旧社会主義諸国のベラルーシとトルクメニスタン、キューバに対する人権決議案には、もれなく参加し賛成票を投じたからだ。人権関連の決議案について、中国・ロシアなど人権より主権を重視する国家の大半は反対を、米国・欧州連合(EU)は賛成票を投じてきた。

しかし、韓国は、北朝鮮関連の決議案には中国とロシアに同調し、他の決議案には西側に立って表決する「まぎらわしい」態度をとってきた。91年に旧ソ連から独立したベラルーシの場合、アレクサンドル・ルカシェンコ政権が野党と批判的なマスコミを弾圧しているとの理由から、昨年と今年4月、国連人権委に人権決議案が上程され、今年、結局採択された。

モスクワで活動するベラルーシのあるジャーナリストは31日、「北朝鮮には弾圧される野党や批判されるマスコミなどあるのだろうか」と、不満な反応を見せた。すべての人権決議案に同じ基準を示すべきだ、ということだ。実際、決議案が可決された旧ソ連地域の大半は、大規模な飢きんと政治犯収容所で悪名高い北朝鮮とは比べられないほど、人権の状況はよい。また、韓国政府のこうした態度のため、当事国との関係が悪化する可能性もある。

ベラルーシ政府は、内心では韓国について不快に思っているが、経済協力のため韓国大統領の訪問を強力に希望している状況であるために、本音を言わずにいるものとされる。今回の国連総会で、北朝鮮とともに人権決議案が上程される予定のウズベキスタンも、今年5月、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が訪問するなど密接な関係にある。だが、韓国政府がウズベキスタン人権決議案の表決で、再び二重的な態度をとれば、ウズベキスタン政府の反発が懸念される。

東亜日報 NOVEMBER 02, 2005 05:07

[オピニオン]耀コストーリ

『シュリ』(1999)、『共同警備区域JSA』(00)、『ブラザーフッド』(04)、『ウェルカム・ツー・ドンマクゴル』(05)…。一様に反戰と南北の和解メッセージを伝えた映画だ。大当たりを当てたという点も同じだ。数年前公演された『ブルー・サイゴン』という創作ミュージカルも、反戦がテーマで話題を集めた。戦争をしないで平和に生きていきましょうということには、誰もが賛成するはずだ。しかし、「それを得るためにかかる社会的費用と苦痛に対しては、誰も話そうとしない事が残念だ」。チョン・サンイン教授(ソウル大、社会学)の言葉だ。

◆北朝鮮脱出者出身の映画監督であるチョン・ソンサン(37)氏が、北朝鮮の耀コ(ヨドク)政治犯収容所を素材にしたミュージカル『耀コストーリ』の製作に乗り出したのは、その「費用と苦痛」を照明するためだ。北朝鮮住民の人権の惨状には目をそむけながら、口先では民族愛を強調する人たちの偽善を暴露するという意味にも解析できる。チョン氏は先月、保守陣営9590名が署名した時局宣言文発表行事の場所にも現われ、北朝鮮人権に対する関心を促した。

◆チョン氏は元々、映画学徒だった。平壤(ピョンヤン)演劇映画大学を卒業し、モスクワ国立映画大学に留学までした。軍隊で韓国放送を聞いていたのが発覚して、沙里院(サリウォン)政治犯収容所に投獄されたチョン氏は、辛うじて脱出に成功して1995年、韓国に来た。韓国では食べていくためたいへん苦労したが、映画に対する夢を捨てることができず、東国(トングク)大演劇映画学科に進学した。彼は02年、肅Cされた父親が兩江道(ヤンガンド)政治犯収容所で、投石による公開処刑を受けたという話を聞いた。

◆チョン氏の携帯電話には最近、「公演に固執すれば殺す」、「民族の反逆者」などの脅迫メッセージが多数送られてくる。でも、彼は止めることができない。投石で亡くなったという父親や収容所で一緒に過した人たちの顔が忘れられないからだ。チョン氏は脅迫に屈しないでほしい。『ウェルカム・ツー・ドンマクゴル』を見ながら感動した映画ファンなら、来年3月、ソウル大学路(デハクロ)にある劇場で幕をあげるチョン氏のミュージカル『耀コストーリ』も見るよう勧めたい。最小限の均衡のために。

ソン文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com

朝鮮日報 2006/02/07 07:07

【社説】ミュージカル『耀徳ストーリー』を脅かす「赤色テロ」

 北朝鮮の耀徳(ヨドク)政治犯収容所の人権弾圧を題材にしたミュージカル『耀徳ストーリー』の中で扱われている収容所の悲惨な実態の暴露が度を超えているとし、政府関係者が台本の内容を和らげるよう求めたという。

 また、ミュージカルに北朝鮮の歌や国旗を登場させるのは、国家保安法違反となる恐れがあるとの警告もあったそうだ。脱北者の監督チョン・ソンサンさんの携帯電話には「上演すれば、貴様の両親のように貴様を叩き殺す」といった脅迫のメッセージも来ているとという。

 耀徳収容所はトウモロコシのおかゆ1皿と塩1さじだけを与え、14時間の重労働を強いる北朝鮮の代表的な政治犯収容所だ。10年間ここに収監されていた姜哲煥(カン チョルファン)さんは、「脱走に失敗して捕まった友人の遺体につばを吐かなければ、生き延びられない場所」と証言した。

 一言で「生き地獄」のようなところだ。政府の関係者がこうした人権じゅうりんの実態を暴露するミュージカルの内容を和らげろと圧力をかけたことは、この政権の精神状態が正常ではないことを意味する。

 かつて韓国の芸術家の創作の自由を抑圧したのが、白色テロとこれに対する芸術家自らの恐怖だったとすれば、もはや赤色テロが芸術の内容を検閲し、芸術家を脅迫する時代になった。さらに理解に苦しむのは、その張本人が北朝鮮の人権状況の改善に誰よりも関心と愛情を持つべき韓国政府だという点だ。

 北朝鮮の収容所の惨状を証言する作品について、北朝鮮の歌と国旗が登場するからといって国家保安法違反を云々したという話に至っては、失笑を禁じ得ない。国連の北朝鮮人権決議に対して棄権を貫く現政権としても、これは度が過ぎている。

 ドイツを含むヨーロッパでは、ナチス時代のユダヤ人収容所の惨状を証言する映画の製作が後を絶たない。ナチズムの名の下で、無実の人々をガス室で殺した人権じゅうりんの現場を告発し、再びこうした悲劇が繰り返されないようにという努力だ。

 しかし、こうした映画がドイツの自尊心を損ねたり、民族の分裂を助長したりするという理由で、製作者が脅されたり、政府が乗り出して圧力を行使したというような話は聞いたことがない。

東亜日報  NOVEMBER 14, 2005 03:07

踏みにじられた北朝鮮同胞の人権に背を向けるな

「政府は、踏みにじられた北朝鮮同胞の人権に背を向けるな」

史上初めて国連総会に上程された北朝鮮人権決議案が、17〜23日に表決に付される見通しだが、韓国政府は棄権することが伝えられた。国連人権委に決議案が上程された時も、政府は棄権したことがある。しかし、「死線」を越えて北朝鮮から帰還した元国軍捕虜たちは、「棄権は卑怯な行動だ」と述べ、政府を批判している。

1994年に帰還した趙昌浩(チョ・チャンホ、74)氏は、「北朝鮮の人権問題は、他人が行動しなくても、韓国は主導的に乗り出すべき民族の問題なのに、必死に避けようとする政府の姿が情けない」と話した。

趙氏は、北朝鮮で13年間炭鉱で働き、けい肺症にかかってからは、子どもたちが密かに掘り起こした焼畑で食いつないだ。

趙氏は、「13年間、政治犯収容所で人間以下の生活をした。人権じゅうりんは、北朝鮮をめぐる多くの問題の中で最も核心的な問題だ」としながら、政府が表決に出席して明確な立場表明をすることを求めた。

また、「国家人権委員会も、堂々と北朝鮮側に人権改善を求める姿勢を示してほしい」と述べた。

昨年5月に脱北した李(77)氏は、「政府が国連総会の表決を棄権することは、北朝鮮同胞たちに死ねというようなものだ」と話した。

北朝鮮に家族を残した李氏は、激怒した口調で、「1ヵ月に2、3回、安全員たちが懐中電灯を持って、味曽のかめのふたまで開けて見た」とし、「私が脱北したのではなく、一挙手一投足を監視していた彼らが、私を追い出したのだ」と述べた。李氏は、「北朝鮮にいる元国軍捕虜の99%が、採掘作業で肺病にかかって死んでいる。政府は、元国軍捕虜と拉致被害者の送還に積極的に乗り出すべきだ」と求めた。

彼らは、最近の国家アイデンティティ論議を触発した東国(トングク)大学の姜禎求(カン・ジョング)教授の発言に対しても声を高めた。このような発言は、北朝鮮の現状への無知から出た発言だということ。

00年に脱北したユ(78)氏は、「権力のある人々は豊かな暮らしをしているが、労働者や農民は窮乏するのが北朝鮮だ」とし、「北朝鮮の人々は、韓国の事情をよく知らないため、そこで教育を受けたとおり北朝鮮体制を称賛するが、韓国の知識人が北朝鮮をかばうことは、到底理解できない」と話した。

1953年7月に国軍捕虜として北朝鮮に連行され、45年ぶりに帰還した張茂奐(チャン・ムファン、79)氏も、「姜教授が北朝鮮に行って、本当の北朝鮮を経験すれば、絶対にそんな発言はできないだろう」と話した。

欧州連合(EU)の25の加盟国は2日、「北朝鮮で拷問や公開処刑、不法拘禁などの広範囲な人権侵害が行われており、強制送還された脱北者たちにも拷問、死刑などの処罰が加えられている」という決議案を国連総会に提出した。

朝鮮日報 2005/11/18 07:30

韓国、北朝鮮人権決議案棄権

 英国、ドイツ、フランスなど欧州連合(EU)25か会員国が提出した国連総会の北朝鮮人権決議案が17日午前11〜12時(韓国時間18日01〜02時)にかけ、初めて採決にかけられる。

 国連関係者は16日、「国連総会第3委員会(人権・社会)の会議で北朝鮮住民の人権保障を促す決議案が17日、ミャンマー人権決議案に続き採決される」としながら、「国連加盟国の雰囲気からすると、可決される可能性が高い」と述べた。

 採決は191の国連加盟国の過半数が参加する中、多数決によって決められる。韓国政府は同日、「韓国政府の立場を説明した後、投票は棄権する」と明らかにした。

 EUは今月2日、拷問や公開処刑、政治犯収容所、売春、乳幼児殺害、外国人拉致など北朝鮮の各種人権侵害事例を指摘し、制度改善を促す内容の国連総会決議案を初めて上程した。

 米国やEU、日本など主要国連加盟国は北朝鮮など人権侵害国に対する制裁の水位を高めることで合意し、決議案可決に向け勢力を糾合してきた。

 ラガン米国務次官補は今月9日、「地球上に残存する抑圧政権の1つ(北朝鮮)に対し、人権決議案の採択を進めるべきだという考えを全面的に支持する」と表明した。

 これに対し、北朝鮮はアフリカや中南米など非同盟国を中心に決議案の否決に向け勢力拡大に努めてきたものの、それ程大きな支持は得られなかった。

 韓国政府はここ3年間の国連人権委員会での採決同様、今回も棄権する方針を固めている。

 外交部関係者は「北朝鮮の人権問題より北朝鮮核問題など安保問題の解決の方が急がれる。6か国協議が進められている状況で南北関係に悪影響を及ぼす恐れがある」と理由を述べた。

 韓国政府の棄権は国際社会で再び論議の的となる見通しだ。とりわけ、世界平和と人権保護を任務とする次期国連事務総長への座を控え、人権保護に疎い国との批判に直面する可能性が高い。

 今回の国連総会の決議案は、可決されても拘束力はない。ただ、全世界の国々が集まった国連総会の統合的意見の表明という点で、象徴的意味合いは大きい。国連関係者は「決議案が可決されれば、この先、北朝鮮人権問題の判断基準となるだろう」と話した。

 北朝鮮の立場としては、外交的に大きな打撃を受けることが予想される。外交的支持基盤の弱さがそのままむき出しとなった上、決議案を履行しない場合、毎年国連総会に人権決議案が上程され、対外イメージを傷付ける可能性が高いためだ。

 また、人権侵害問題が取り上げられればられる程、安保理が北朝鮮の人権侵害を非人道的犯罪と見なし、国際刑事裁判所に付する可能性も高まる。

朝鮮日報 2005/11/19 11:56

韓国が棄権した北朝鮮人権決議案、国連総会で可決

 欧州連合(EU)25の加盟国が提出した国連総会の北朝鮮人権決議案は17日(現地時間)、票決を迎え、賛成84反対22棄権62で採択された。票決は191の国連加盟国の中で168か国が参加した中で行なわれ、韓国政府は棄権した。

 国連・経済社会理事会傘下の人権委員会で、北朝鮮の人権決議案が3回採択されたことはあるものの、国連総会で採択されたことは今回が初めてだ。決議案は拷問、公開処刑、政治犯収容所、売春、 えい児殺害、外国人拉致など、各種の北朝鮮の人権問題を指摘し、北朝鮮住民の人権と基本的な自由保障を促している。

◆ 北朝鮮大使、硬い表情で会場を離れ

 決議案の票決が行なわれたニューヨーク国連本部の地下1階の第1会議室には午前10時、総会がはじまった直後から加盟国の代表らと取材陣でいっぱいになった。国連加盟国議長の英国代表が、「北朝鮮内で組織的かつ広範囲な人権侵害が行われているにもかかわらず、北朝鮮は国連特別調査官の訪朝すら許可していない」と決議案の提出背景を説明した。各加盟国が国家名入りの札を持ち上げながら、相次いで発言権を申請した。

 北朝鮮の金昌国(キム・チャングク)国連代表部次席大使は、「米国とEUが政治的目的で、北朝鮮の人権問題を乱用している」と述べた。中国、ベネズエラ、キューバ、マレーシア、ベラルーシ、スーダンなどおよそ10か国が北朝鮮に同調した。この国々は、「特定国家を標的にした政治的攻撃」と主張した。決議案への支持を表明した国はインドネシアしかなかった。

 決議案を主導したEUと米国、日本代表団が緊張した表情で周りを見回すこともあった。しかし、加盟国代表らが、テーブルの上に置かれたボタンを押しはじめ、電光掲示板の緑(賛成)のランプが灯り84が表示されると、票決は簡単に終わった。

 北朝鮮の金次席大使は可決直後、直ちに失望したような硬い表情で会場を離れた。

◆ 北朝鮮の人権、世界的な議題に定着

 決議案の採択は、北朝鮮の人権問題が世界各国の共通関心事になったということを意味する。今後、国連で北朝鮮の人権改善に向けた現地調査など、後続措置を推進する可能性が大きくなった。北朝鮮人権状況が改善しない場合、一部の国々が対北朝鮮支援に対し消極的な態度に回る可能性も考えられる。

 決議案採択に棄権した韓国政府に対し、各国際人権団体が抗議する可能性も排除できず、北朝鮮の核開発問題をめぐる6か国協議の各参加国が、賛成(米国、日本)、反対(中国、ロシア)、棄権(韓国)でわけられたことによって、後続の協議に影響を及ぼすかも知れないという観測も浮上している。

反対国家は反米・人権侵害国が大部分

 決議案に反対票を投じた国家は、中国、ベネズエラ、キューバ、マレーシア、ベラルーシ、スーダンなどだ。この国々のほとんどは、人権侵害国家と目されたり、反米の動きを示している国々だ。棄権票は従来、北朝鮮の支持勢力と分類された多くの非同盟国家とされる。この国々は、開発援助資金の支援を意識して米国、EU、日本の顔色をうかがったと、国連関係者たちは分析している。

◆ 食い違った反応

 ヨルリン・ウリ党の田炳憲(チョン・ビョンホン)スポークスマンは、「北朝鮮の人権問題に対して目を背けたわけではなく、圧力よりは漸進的に改善に導くための賢明で、思いやりのある選択」と評価した。田スポークスマンは、同日のブリーフィングで、「北朝鮮自ら人権を改善できるように環境を整えるのが、根本的解決策」と述べた。

 同党の崔星(チェ・ソン)議員は、「反対と棄権票が、およそ半分になったことも、かなり大きな意義があると受け止めなければならない」とし、「これは韓半島の平和定着に向けた人権問題を慎重に扱わなければならないという認識が反映されている」と述べた。

 ハンナラ党は?卿?(ナ・ギョンウォン)公報担当院内副代表は、「政府が北朝鮮の機嫌を伺うあまり、北朝鮮住民の人権に目を背けた」とし、「韓国政府と与党は、歴史的責任を負わなければならないだろう」と述べた。

 日本の反核平和団体はアメリカの核兵器は「侵略のための核」として反対したが、ソ連や中国の核兵器は「解放のための核」「自衛のための核」として容認してきた。
核兵器は人類を滅ぼす可能性のある恐怖の兵器であり、資本主義や共産主義というイデオロギーに関係ないはず。
反核団体、平和団体、市民団体を名乗っった政治団体は、このダブルスタンダードを振りかざして政治運動をしてきた。
彼らの主張は揶揄され、「アメリカの核は汚い核、中国の核はきれいな核」と表現されている。

そして韓国の政策は、北朝鮮の人権侵害は「きれいな人権侵害」となっている。

参考記事
 北朝鮮の核は「きれいな核」
 拉致問題 なぜか同胞の人権には冷淡

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