朝鮮日報 2006/05/20 11:32
脱北者4名、韓国領事館から米領事館へ
中国・瀋陽駐在の韓国総領事館に滞在していた男女合わせて4人の脱北者が、すぐ隣にある米国総領事館に塀を乗り越え侵入し、現在米国亡命の手続きを踏んでいることが19日分かった。
脱北者たちはこの過程で、韓国総領事館に勤務する中国人職員を一時は捕縛するなど、物理的なトラブルを引き起こしたという。これによりこの問題を解決する過程で、韓米中の三カ国間に摩擦が生じる可能性も排除できくなった。この脱北者が米国に入国する場合、今月初め東南アジアを通じて米国に亡命した脱北者6名に続いて2件目となる。
ソウルと瀋陽の情報筋によると、現在瀋陽駐在の米総領事館に滞在する脱北者たちは、最初に韓国総領事館に駆け込み、韓国に亡命するため領事館に滞在していた。しかし今月6日、別の脱北者6名が米国へ亡命することになったという情報を聞きつけ、自分たちも米国へ亡命させるようにと要求したという。
韓国総領事館の関係者は、中国との関係上、米国領事館に送ることは不可能と彼らを説得したという。このためこの脱北者たちは、韓国領事館に勤務する中国人職員を捕縛し、塀を乗り越えるという強硬手段に打って出た。
これと関連し、脱北者と韓国領事館職員との間に大きなトラブルが生じたとの噂がソウルで一時流れた。韓国外交部は、この噂を積極的に否定はしなかったが、このトラブルに「韓国人職員が関連している」という部分については強く否定した。
米国のブッシュ行政部は、北朝鮮人権法の制定以降、脱北者を保護する活動が進んでいないとする米議会からの強い批判を受け、今年から脱北者の米国亡命を積極的に受け入れるとの立場を示している。脱北者の受け入れは、ブッシュ大統領の直接の指示によるものという。最近、米国の裁判所は脱北者出身で韓国国籍を持つ人の米国亡命を許可するとの判決を下し、韓国政府を当惑させている。
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