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新世代の民族主義

朝鮮日報 2005/08/15 07:28

新世代の66%「米朝戦争の際、北朝鮮に肩入れ」

 朝鮮日報は光復(独立)60周年を迎え、「新世代(1980年代生まれ・16歳から25歳)の民族主義」に関する調査を行なった。新世代だけを対象にした民族意識の調査は今回が初めて。

 韓国ギャラップ社が80年代に生まれた833人を対象に行なった調査結果、新世代も強い民族主義性向を持っていることが分かった。しかし、旧世代(50代以上)が持っていた「涙と恨(ハン)の民族主義」は、彼らにはその跡形も残っていなかった。

 新世代は、韓国の歴史上初めて国家的プライドに基づいた民族主義傾向をはっきり示したが、そのなかには依然として矛盾した意識も混在していることが分かった。

 「米国と北朝鮮の間で戦争が起こる場合、どちらの肩を持つか」という質問に対し、「北朝鮮に肩入れする」と回答した新世代が65.9%に達した

 「米国に肩入れする」という回答は28.1%、分からない・無回答が6%となった。しかし、「就職か移民などによって外国に行く場合、どの国に行きたいか」という質問には、北朝鮮と回答した新世代は1人もいなかった

 その反面、米国は16.8%と2位、日本が15.3%と3位、1位はオーストラリアの17.9%だった。イラク、イラン、ベトナム、ペルーという回答も出たが、北朝鮮はなかった。

 今回の調査を担当した崇実(スンシル)大学の康元澤(カン・ウォンテク)教授は、「新世代は、北朝鮮を生活が苦しい親戚ぐらいに思っている」とし、「北朝鮮に肩入れすることを、イデオロギー的とは言えない上、かえって強い脱イデオロギー、実用的な民族主義性向がさらに強かった」と分析した。

 新世代は日本に対しても旧世代とは異なる態度を示した。

 新世代の36%が「日本に対し、好感を持っている」と答え、旧世代(50代以上)の25.7%(昨年12月韓国ギャラップ社の調査)に比べ高かった。

 新世代9人を同時にインタビュー(フォーカス・グループ・インタビュー)した結果、出席者のほとんどが「日本といえば、ゲームやアニメーションが思い浮かぶ」と回答した。「日本製品」を思い浮かべるという新世代はいなかった。

 国家的プライドも強かった。韓国が先進10か国(G-10)にすでに加盟しているか、5年または10年以内に加盟するという回答者が67.8%にも達した。

 「韓国といえば思い浮かぶもの」という質問に対し、肯定的なことを答えた割合が否定的なことを答えた割合に比べはるかに高かった。

 今回の調査は8月3日から4日まで実施されており、95%の信頼水準で、誤差の範囲は3.4%だ。

朝鮮日報 2005/08/17 06:38

北朝鮮は「敵」でも「同族」でもないという新世代

 朝鮮日報が韓国ギャラップ(GALLUP)社に依頼して行った、1980年代に生まれた“新世代(16歳から25歳)”を対象に行なった民族意識調査で、北朝鮮に対する好感度は「好き」が62.9%、「嫌い」が33.7%となった。

 昨年12月のギャラップ社の調査で、50代以上の旧世代が北朝鮮に対し、「好き」16%、「嫌い」55%という結果を示したのとは対照的だ。

 北朝鮮を「安全を脅かす敵対的な対象」と見る割合は、旧世代で21.6%となった反面、新世代では6.6%に過ぎなかった。

 今回の調査を企画した政治学者たちは、「新世代は、50代以上の旧世代のように北朝鮮を敵とみなしておらず、30代半ばから40代半ばの386世代(60年代生れで80年代に大学時代を送った世代)のように北朝鮮を『同族』とも見ていない」と分析した。

 新世代は、韓国戦争を直接・間接的に体験した旧世代が「北朝鮮は韓国の安保を脅かす存在」と教え込むことに抵抗を覚える。新世代はまた、「南北の民族協力を通じて反米自主を実現しなければならない」という386世代の1980年代式意識化論理にも興味を示さない。

 「北朝鮮はわれわれにとって何なのか」という質問に対し、一つの屋根の下に暮らす父、叔父、息子の世代がそれぞれ異なる答えを胸に抱いているという現実に、われわれは直面している。

 先の大統領選挙から浮き彫りになった世代間の対立も、相当部分は、各世代の「北朝鮮に対する他の世代の態度は理解できない」という考え方に起因している。

 世代間で北朝鮮に対する認識の差がある理由は、各世代の北朝鮮に対する“体験”と“伝聞”と“論理”がそれぞれ異なるためだ。

 社会現象とは、連続的に変化するものであるため、各世代が独自に経験したり、またはしていることだけが唯一絶対だと主張することはできない。異なった経験から生まれた他の考え方を理解しようとする開かれた姿勢が必要となる。

 この政権が大統領の言葉どおり、「分裂の歴史に終止符を打つ」という覚悟なら、こうした問題から親和の道を模索する必要があり、その出発点として重要なのは、北朝鮮に対する世代間の認識の差を選挙に利用する政略的な思惑から脱却することである。