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韓国に媚びる日本人 世宗大学教授 保坂祐二

朝鮮日報 2002.04.11(火)19:55

「日本にまたやられてしまう」日本人からの警告

 独(トク)島を自国の領土と記述した日本の歴史教科書が再び玄界灘に高波をもたらしている。折良く、日本人の保坂祐二・世宗(セジョン)大学教授が最近、著書『日本に絶対やられるな』(ダプゲ出版社)で、韓国人のためになる話をしており、関心を集めている。
 独島問題と関連し、保坂教授の論旨は一言で言って「韓国側の対応は余りにも感情的で、緻密な日本側の戦略に巻き込まれている」ということ。韓国が「独島は韓国領土」と声高に謳っている際、日本は後日独島の領有権問題が外交問題に飛び火することに備え、地道に資料を準備してきた。また、自国民と世界を相手に持続的な広報を続けているという。従って、このままでは、韓国が再び日本にやられるのは火を見るよりも明らかだということだ。

 保坂教授は「独島問題に対する韓国側の姿勢は、基本的に日本を無視することにあるようだ。日本は韓国の主張を徹底的に研究しながら、その主張の穴を突くため、綿密な準備を行ってきた」と警告する。一例に、日本の外務省のインターネットサイトには、独島に対する韓日両国の主張が巧妙に整理されている反面、韓国の外交部サイトには何の言及もない。この場合、両国をよく知らない第3国の人がどっちを信頼するだろうか、と保坂教授は質問する。

 本を読んでいると、彼が本当に日本人なのだろうかと疑問に思うほどに、露骨に韓国の肩を持っている。彼は古代日本が韓半島を支配したと著述している日本書紀と古事記の歴史歪曲も躊躇なく指摘し、その淵源を古く「白村(ぺくチョン)江(白馬(ぺくマ)江)戦闘」から探している。

 当時百済を助け、新羅と唐の連合軍に対抗した日本は、この戦闘で惨敗してから、臥薪嘗胆し内面の充実化に力を注いだ。それと共に、新羅に敗れた歴史を隠蔽し、いつかは韓半島を屈服させると誓うかのように、韓半島支配の偽りの神話を作り出したということだ。

 保坂教授は日本人のこのような根性は『孫子の兵法』に基づいていると説明する。8世紀、中国から伝来した『孫子の兵法』は、武士の時代が700年も続いた日本で花開いた。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という金言を、日本人たちは永遠の真理と考える。従って、日本人は常に相手を徹底的に研究し、勝てるという計算が出れば、先制攻撃を行う。日清戦争当時、李舜臣(イ・スンシン)将軍までも集中的に研究したのが日本人なのだ。

 保坂教授は日本の帝国主義的野心に対する警戒を疎かにしてはならないと警告する。「新しい歴史教科書」を作ることを裏で積極支援した小泉首相は、それだけでは飽き足らず、戦犯の位牌が安置された靖国神社の参拝を強行した。その後、そっと迂回作戦を使って、中国と韓国など反発が強かった国々を歴訪した。 

 日本は現在、外交手段を総動員して、いくつもの対外目標を達成しようとしている。その中で最も大きな目標が国連安保理の常任理事国になることだと「う。そうなれば、日本人は再び傲慢になり、アジアを侵略した過去の過ちまでも清算したという錯覚と妄想に陥るはずだと保坂教授は指摘する。

 保坂教授は「韓日の和解への道は、日本人が過去史を正しく認識してこそ可能だ。その第一歩は両国の市民団体と良心勢力を1つに結ぶ民間パートナーシップを作っていくこと」と結論付ける。

スン・インベ記者

朝鮮日報 2001/07/17 22:12

「日本の歴史わい曲は皇国思想に起因」

日系韓国人 保坂祐二 世宗大学教授 20日から開かれる「新たな千年代を開くための−韓日詩人大会」で日本の学者と文人が、近頃の日本の歴史教科書わい曲に対する様々な批判を提議することになり関心を呼んでいる。
 済州(チェジュ)大学で開かれるこのセミナーで、保坂祐二・世宗(セジョン)大学教授(45)は発表論文「韓日文化の対比的考察」を通じて「日本は天皇中心の皇国思想のため、歴史わい曲を取り上げ過去の罪を是認すると天皇制否定になる」との分析をした。17日取材に応じた保坂教授は「日本人がこうした主張をするのは極右勢力の攻撃の危険にさらされることもあるが、日本を愛する者として日本がいい方向に向かっていくことを願い、自分の意見を正直に述べている」と語った。
 一方で「日本の外務省のインターネットサイトには獨島(トクド/竹島)に対する両国の主張が並べて載せられており、項目ごとに丁寧に答えられている。だが韓国の外交通産部のサイトには獨島問題について一言の説明もない」と批判し、「韓国は日本について教育する手だてを導入しなければならない。日本語に訳した韓日間の懸案紹介サイト、関連本、ドラマ、漫画などを作り接触の機会を増やして、日本について教えなければならない」と主張した。
 保坂教授は「韓国の儒教精神によれば‘敵’とは夷狄を意味するもののため韓国人は‘知る必要もないし、知ってはいけない相手’と思いこんでいる。近頃の相手を研究せずに自分の立場のみを主張する韓国の態度は問題だ」との批判も提議した。
 今回の「韓日詩人大会」には辻井喬、高柳誠、白石かづこ各氏ら日本側文人13人、韓国からは金光林(キム・グァンリム72)、成耆兆(ソン・ギジョ67)、申庚林(シン・ギョンリム66)、李昇薫(イ・スンフン59)、尹石山(ユン・ソクサン55)、キム・ジョンラン、チェ・ホギ、チョン・クッピョル各氏ら30人余りの文人が参加する。
 この行事を推進してきた尹石山教授(済州大)は「近頃の雰囲気のせいでセミナー開催撤回の圧力も受けたが、国際間の約束を守るのも大切だと考える」と述べた。
金p日(キム・グァンイル)記者

朝鮮日報 2001/08/14 21:52

【8.15対談】作家・崔仁浩−政治学者・保坂祐二

日系韓国人 保坂祐二 世宗大学教授 日本の植民地支配に終止符が打たれた光復節(8月15日)。今年は、日本の小泉純一郎首相の電撃的な靖国神社参拝という事件が起こり、アジア各国が憤激している中で56回目を迎えようとしている。韓日両国は、歴史歪曲教科書への糾弾、韓日合同で行われるワールドカップの成功、文化交流の増大と北東アジアの経済・文化ブロック形成という中長期的で多国的な課題を前にしつつ、いまの現状に当惑しながらこの節目を迎えることになる。解放後に生まれた小説家である崔仁浩(チェ・インホ、56)氏、そして植民地時代における民族同化政策を分析、韓国で博士号を取った日本人政治学者の保坂祐二世宗(セジョン)大学教授(46)の二人が、これらの問題について緊急対談を行った。

▲崔=私は個人的には日本が好きだ。われわれは植民地という暗い歴史を持っているが、日本が横にいたおかげで文化的な教訓をたくさん受けた。日本人の礼儀と公衆道徳、秩序意識も手本とすべきものだ。新聞が日本はなぜこうなのかと批判しながらも、テレビでは日本の高い文化を紹介する番組が放映されてもいる。しかし、もどかしさを禁じ得ないのは、小泉首相の靖国神社参拝で見られるように、なぜ日本が歴史を逆行するのか、という点だ。日本は内政干渉を唱え自尊心を損なわれたようだが、それを逆に考えるべきだ。常に反省を要求する隣人がいると言うことは、大きな祝福でもある。経済的不振と不安をこのような方法で解消するのなら、それは政治家の巧妙な戦略にすぎない。

▲保坂=昨日(13日)は「奇襲参拝」だった。

▲崔=まるで真珠湾攻撃のように……。

▲保坂=小泉首相の靖国神社参拝は、感情に訴える方法だ。それは小泉首相が欧米列強を重視し、アジアを軽視する外交スタイルといえる。具体的な代案がない大衆迎合政策だ。危険な時代を迎えているのではないかと心配してしまう。昨日、私的な参拝なのか公式参拝なのかについても、非常に曖昧に処理したことも、まさに日本的な解法だ。混乱に陥ると曖昧に処理してしまうことは、天皇が過去の歴史で行った態度とまったく同じ。小泉首相は、父親側の親戚の一人が神風特攻隊で亡くなり、靖国神社に合祀されていると聞く。彼は12年も続く不況を突破すると訴えながら、具体的な政策なしに大衆の民心だけをつかもうとする政策を利用している。

▲崔=私も不思議に思う。日本人は言葉で「遺憾」としながら、第二次世界大戦については申し訳ないと考えておらず、戦争を罪悪だとはみていない。彼らは心から何らかの自負心のようなものを持っているようだ。

▲保坂=ドイツと日本の差だ。ドイツは、ナチスを戦争を引き起こした張本人として、その罪を整理した。終戦前までは、日本の天皇制は侵略イデオロギーを持っていた。戦後には天皇制の象徴性がそのまま残ってしまった。これが日本を破壊させた。日本が過去の反省を行うなら、天皇制に問題が生じる。そのため、これまで曖昧にしてきた。歴史認識をまったく持ち合わせていないのも、このためだ。日本の歴史教育は、日本がどのような目的で戦争を行ったのか、その根元をまったく教えない。「戦争とは残酷だ」といった程度で教えてきたが、事実、その目的は「アジアを皇化する」だった。

▲崔=1988年に「失われた王国」を連載する際、日本人の記者に会ったことがあるが、彼は「日本に天皇制がある限り、民主主義の未来はない」と話していた。現在、日本に関する問題は、二つの部分が曖昧だ。天皇制ェュ治的矛盾だと言いながらも日本政治自体をそのまま抱え込んでいる。もう一つは、教科書問題についての議論が近代史に限られている。日本の古代史にもかなり問題がある。森喜朗前首相が「我が国は神の国だ」と話すのを聞いて驚いたことがある。日本はアジアの中にありながら、自らをアジア人とは考えない。欧米諸国のように、まるで神国のように、脱アジア的な考えを持っている。

▲保坂=日本文化は古代から中国や韓国から影響を受けたということはよく知っていた。13世紀からこのことに対する反発が出た。文化に固有性がないという劣等感を解消しようとして、最も日本的なものとして天皇制を探し当てた。日本の民族主義である国学を研究する人が現れた。18、19世紀、日本人が最も優れていて、中国や韓国に比べて優秀であり、日本の中心には揺るぎがないと信じつつも中国や韓国を蔑視する日本優越主義が作られた。歴史歪曲教科書も、結局は日本優越主義、韓国・中国蔑視などが根底にある背後の思想が問題なのである。

▲崔=我々は、歴史的に日本に対して無心だった。関心がなかった。日本はいつも我々を無視していた。「無視」は関心があったということだ。我々は、壬辰倭亂(文禄・慶長の役)直前まで「日本が生意気に我々を…」という考えを持っていた。今後、韓国は日本に対して本質的な関心を持つべきであり、日本は韓国を直視すべきである。韓国にいいことが日本にもよくて、中国にいいことが韓国にもいいことだ。そんな理解があって初めて歴史的にも良い隣国関係になれる。生きている生身の人間を生き神様にしたから曖昧さが続いて悪循環が絶たないのではないだろうか。

▲保坂=おっしゃる通りだ。天皇制自体より、天皇制を作った背後のイデオロギーが問題だ。江戸時代(1603-1867)にも天皇制はあったものの、実権は全くなかった。当時、朝鮮では儒教思想を学んで平和を謳歌していた。第二次大戦後から今までの日本は、江戸時代に似ている。今の極右勢力の動きは、それを破ろうとしている。明治時代の復活を狙っているのだ。もちろん、全く同じ道を進むことはないだろう。侵略イデオロギーをどのようにして平和イデオロギーに変えるかが問題である。

▲崔=今や韓国・中国・日本の3カ国には、運命共同体のような文化意識が芽生えている。90年代以降、香港映画は香港だけの映画ではない。今回、私の小説「夢遊桃源図」をチェン・カイコー(陳凱歌)監督が映画化しているが、その音楽は坂本龍二が担当している。多国的だ。また、中国では「韓流」ブームが盛んだ。ソウルの狎鴎亭(アップグジョン)洞では、日本のファッションがそのまま流行し、また日本では韓国の料理が大変な人気を得ている。三国の間には「文化的ブロック化」が作られつつある。前のように、粗探しをするためにいう「浸透」ではない。しかし、政治・経済的な橋渡しがないまま、文化だけで交流をしていたら、いつかはジレンマに陥るだろう。だからなおさら、小泉首相に腹が立つ。

▲保坂=共感する。文化的レベルでの交流は両国国民の心の中に歴史的共同認識がなければ限界があるのが当然だ。そうした点で韓日両国の学会と市民団体が提携して共同の歴史教科書を作るということは、非常に望ましい。両国の歴史の時間に副教材として使うと聞いている。日本の若者も歴史的事実を教えれば納得する。彼らはそれだけ純粋だ。知らないので振り回されるのである。

▲崔=小説家の石原慎太郎に私がこう話したことがある。米国にだけ「NO」と言える日本が重要なのではなく、隣国である韓国と中国に対して「YES」と言える日本であってこそ、真の隣国になれる、と。

▲保坂=新しい歴史教科書や神社参拝問題に関して日本内に反対派が多い。もちろん相当数は全く無関心だ。小泉首相賛成派は少数だ。ところが韓国の報道だけを見ると日本のほとんどが首相のように考えていると誤解される可能性がある。それは余り良くない。

▲崔=私は1945年生まれのヘバンドンイ(解放された年に生まれた子供)だ。多分そんな理由で私がここに来ているのかもしれない。第2次大戦の敗戦国は日本だ。韓国ではない。なのに日本は分断されず、韓国が南北に分かれた。朝鮮戦争は、その大きな名分の裏に兄弟が兄弟を殺さねばならなかった「ダーティーウォー(dirty war)」だった。そうした意味で悲劇は未だ続いている。

▲保坂=興味深い話だ。第2次大戦後日本と違ってドイツは分断された。日本の代わりに韓国が分断されたという事実を日本国民はよく知らない。韓国の分断の原因に対する根本的な理解がない。韓民族の苦痛に対する理解も足りない。日本とは違って韓国では詩集が良く売れる。詩人は他人の苦痛を言葉で書き連ねる人だと考えれば、多分日本では苦痛を理解する人が多くないという意味かもしれない(笑)。日本国内では政治、安保関係の本が主に良く売れている。

▲崔=「なぜそんなに過去にこだわるのか」と聞かれれば、これは過去ではなく、現在の問題だからと私は答えるだろう。毎年「光復節」は来るが、実際の「解放」も「光復」もまだ到来していない。日本はまだ「終戦」していない。これが悲劇だ。

▲保坂=日本では朝鮮半島分断の原因に対して考えるよりは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が崩壊すればその難民をどうするかにだけ注目している。今後はその根本的な原因に対する教育も成されるべきだ。両国の市民団体がより積極的に力を合わせるべきだ。韓国の市民団体は日本の市民団体よりパワーが強い。両者が団結すれば日本政府を動かせる。我々はワールドカップも快く開催すべきである。単に両国の競技場の水準を比較するとか、韓日の試合がワールドカップの勝敗の全部であるかのように認識される様相は余り良くない。
▲崔=結局歴史と現在に対する韓日共同認識をどう形作っていくかという問題だろう。

【略 歴】
●崔仁浩
 1945年ソウル生まれ。延世(ヨンセ)大学英文学科卒業。日本植民地時代における「広開土王碑」ねつ造と古代韓国人の日本列島開拓史を描いた大河小説『消えた王国』(1995年)など著作多数。

●保坂祐二
 1956年東京生まれ。東京大学工学部卒業。高麗(コリョ)大大学院政治外交学科修了。日本のアジア侵略、韓日関係が専門。『日本帝国主義の民族同化政策分析』など論文多数。

金p日(キム・グァンイル)記者、魚秀雄(オ・スウン)記者            写真=蔡承雨(チェ・スンウ)記者

朝鮮日報 2003/11/19 19:19

「本当の韓国人として日本の妄言を批判します」保坂祐二教授

日系韓国人 保坂祐二 世宗大学教授 日本の政治家の「妄言」に対し、韓国人以上に憤怒し批判していた保坂祐二・世宗(セジョン)大学教授が日本の国籍を捨てた。韓国生活15年目の保坂教授は先日、韓国国籍に帰化した。

 「韓日関係を見ながら、常に日本人が過去の歴史を歪曲することに対し残念な気持ちを抱いてきました。本当の韓国人になってこの問題を真剣に研究し、感じてみたいと思いました」

 保坂教授のこの言葉は、日本の歪曲された歴史観を正すために努力してきたその過程を見れば納得がいく。保坂教授は先月、日本の韓国侵略と植民地支配を正当化した「石原慎太郎東京都知事の妄言」の話を出すと、真剣な表情で首を横に振った。

 「日本は保守化、右傾化しています。その先頭に立っている日本の一部の政治家や論客たちは、それを利用し人気取りをしているのです。韓国人はただ黙っているのではなく、そのような事態が発生する度に強く反発しなければなりません。日本の国民は韓国人が沈黙していると“認めている”と思います」
 
 自民党の麻生太郎議員が「創氏改名(日本植民地時代、韓国人の氏名を強制的に日本名にしたこと)は朝鮮人が先に希望して始まった」という妄言を吐いた時も、保坂教授は直ちに麻生議員側に電話をかけた。

 「一体どんな資料を根拠にそのような発言をしたのか資料を提示して欲しい」と問いただした。「感情的になるばかりだった」韓国政府の対応とは違い、日本人教授という立場から鋭く「根拠となる資料」を要求すると、慌てた麻生議員側は結局、「創氏改名の発言は講演が終った後に行われた質疑応答で出た突出的なものだった」と弁明したという。

 日本出身でありながら韓国人以上に日本の妄言に憤怒する理由は何なのか。その理由を知るには保坂教授が東京大学工学部の学生だった時代にまで遡る。

 「偶然『明成皇后殺害事件』に関する話を聞いて大きなショックを受けました。『一体、日本がなぜそのような事をしたのか』を調べるため、韓国に留学することにしました」

 韓国語を学んだ後、高麗(コリョ)大学・政治外交学科の大学院を経て博士課程を踏む中で、自分が疑問に感じていた問題を調査した。

 「日本植民地時代」に関する保坂教授の研究は、結局、「日本帝国主義の民族統合政策分析」という博士論文を誕生させ、それが縁となり98年からは世宗大学の日本語・日本文学科の教授となり、現在は日本語と近代・現代日本史を教えている。

 保坂教授は「明成皇后殺害は全て事実でした。それだけでなく、731部隊、生体実験、創氏改名など、日本がやってきたことを新たに知る度に帰化を考えてきました」と話した。

 また、「これまで何食わぬ顔をしていた知人も、私が昨年『日本に絶対やられるな』という本を出したら突然態度が変わりました。自分の信念に基づいてやっていることなので、あまり気にしていません」とした。

 日本人の属性をよく知る保坂教授は、度重なる妄言への対応をこのように話した。

 「韓国は『人間の道理』を重視する儒教、日本は侍文化を持ちます。侍は戦って勝つためには相手の弱みをできるだけ多く探し出します。妄言のたびに怒るだけではなく、『資料』に基づく論理的な反駁を通じて、ひとつずつ論破していくべきです」

 保坂教授はまだ日本名を使っている。改名の手続きが複雑なせいもあるが、これまで「保坂祐二」の名でさまざまな論文や本を出してきたためでもある。

 韓国人女性と結婚し、2男1女をもうけた保坂教授は「私は情に厚く温かい韓国が好きで韓国人になりましたが、最近の韓国人が韓国を嫌って移民する姿を見ていると、まことに遺憾です」と話した。

申知恩(シン・ジウン)記者

東亜日報 APRIL 24, 2006 03:22

[社説]「挑発の天才」という日本に、またやられてはいけない

韓国と日本は22日の外務次官協議で、日本は独島(トクト、日本名=竹島)付近の水路測量計画を中止して船舶を引き返し、韓国はその代わりに、韓国式海底地名登録を適切な時期に引き延ばすことで合意した。このような外交的辻褄合わせに対して、中国の京華時報は、「表から見れば『ウィン・ウィン』のように見えるが、実は日本が主導権を握り、日本に有利に流れた」と論評した。

日本は、韓国の地名登録をひとまず阻止したのだから成功であり、水路測量は歴史上行なったことがないため、「しなくても現状維持」という話だ。同紙は、「挑発された韓国は、武力も辞さないという姿勢で国際的な関心を引いたが、これも日本の独島紛争化の意図にはまってしまった」と指摘した。

外交交渉の合意前に、日本系韓国人の保坂祐二・世宗(セジョン)大学教授は、「日本は挑発の天才だ」と話した。多くの内戦を経験した日本は、「戦う前の勝つための事前工作に緻密であり、今回の測量挑発も準備された挑発だった」と同氏はみている。

日本は、測量を完全にあきらめたわけではない。「6月末まで中止」という合意期限が過ぎれば、いつでも「2隻の船舶と外交官数人」という安い投資で挑発を再開する余地を残している。私たちの憂慮は、まさにここにある。韓国は「挑発の天才」に対抗して、独島主権を堂々と守り抜き、韓日関係の大局を見つつ、総体的に国益を傷つけずに国際的にも支持される外交をしなければならない。5月から再開される排他的経済水域(EEZ)交渉が、その試金石になるだろう。

今回の事態の鎮静過程で、米国も日本に「圧力」を加えたという。中国の急浮上で、北東アジアの不安定性が大きくなる状況であり、米国としては、両同盟国の対決が負担だったのだろう。東シナ海のガス田開発をめぐり日本と対立している中国も、大きな関心を持って事態を見守ったはずだ。韓国は、北東アジアのこのような国際政治の躍動性を活用しなければならない。これに向けた外交力量の強化が急がれる。自主という言葉を繰り返している状況ではない。

(メールでいただいた情報)
 保坂祐二教授は、統一協会の祝福家庭だそうです。 

参考サイト