中央日報 2003.08.31 19:45:27
【社説】憂鬱な「ホームショッピング移民商品の大ヒット」
あるテレビホームショッピング業者で販売された移民商品が「大ヒット」となった。放送開始80分で移民の募集(1000人)に983人が応募し、単一品目、単一放送時間で過去最高の注文記録を打ち立てた。売上額も、同ホームショッピングの1日平均売上額25億ウォンの1週間分となる175億ウォン(約17億5000万円)となった。
このグローバル時代に、より良い暮らしと念願達成への道が、国内に限られるとは言えまい。我々の移民史もすでに一世紀以上になる。
だが過去の移民が、生きるための経済的・政治的な理由からであったの対し、最近の移民は未来への不安と子どもの教育が要因だという点に、事態の深刻さがある。
特に、今回のホームショッピングに押し寄せた注文者の62%が韓国の労働力の主力となる世代であり、未来を担う20、30代だったことは、韓国社会に明らかに深刻な問題が存在していることを意味する。
年初に実施されたあるアンケート調査の結果は、このような「移民ラッシュ」の裏側をさらに詳しく示している。20歳以上の男女1500人を対象に行った同アンケートは「韓国社会は住みにくい」という回答が64%となり「移民に行きたい」という回答は40%を超えた。
彼らの移民の動機は、ほとんどが「韓国社会が嫌だ」「月給でまかないきれない教育費の個人負担」「教育の質への失望」「天井知らずのマンション価格」「泥沼の政界闘争」など。 一言で、韓国社会の現実に対する不満と、未来への不安が重なり、この地を抜け出したいというわけだ。
生物学的寿命が伸びる一方人口が減る状況で、20、30代が離れていく社会の未来は、暗いと言わざるを得ない。「活力にあふれる国」韓国が、なぜここまで来てしまったのか、憂鬱なことこの上ない。より良い暮らしを求め移民を選択するの止むを得ないが、彼らを失望させた責任は国にある。
今からでも、若い世代に希望を与えられない韓国の現実を真摯に悩み、対策を講じていかねばならない。
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