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「借金を返済する人はバカ」

朝鮮日報 2003.10.31(金) 18:52

カード代金滞納を返済する人はバカ?

 不良債務者に対する「救済的な債務免除政策」がクレジット社会の根幹を揺るがしている。

 債務者の借金を利子だけでなく元金まで一部免除するという政策が最近続々と発表され、借金を返済せずに“居直る”不良債務者が増えていることをはじめ、現在までこつこつ返済していた優良顧客の間でも「真面目に返済している人だけが馬鹿を見る」という認識が拡散している。

 「借金は返すもの」という社会の基本的な常識が崩壊していることに対し、専門家らは「債務免除策がモラル低下を煽り、国家経済の根幹を揺るがしている」と懸念している。

 韓国資産管理公社(KAMCO)が「不良債務者の債務のうち、利子だけでなく元金の最大30%まで減免する」と発表した31日、銀行やクレジットカード会社の債権取立部署には、不良債務者からの問い合わせの電話が殺到した。

 LGカード債権取立部署の関係者は「普段は電話をしても取りもしなかった延滞者が、先に電話をかけてきて債務減免を要求している」とし、「特に、生計維持ではなく遊ぶ金などのために借金をした20代の若者層のモラルハザードがはるかに上回る状況」と話した。
 
 宅配サービスの仕事をしている朴某(35)さんは31日、Aカード会社に電話をかけ、「新聞を見たら元金の30%まで減免するとしているが、私もそのようにして欲しい」と要求し、カード会社側から拒絶されると連絡が取れなくなった。

 元金320万ウォンを6カ月間延滞している主婦の朴某(42)さんは「夫は現金250万ウォンを18カ月延滞しているが、その債権が資産管理公社に渡り、元金の一部を減免されるという」とし、「私の債権も資産管理公社に移管してくれなければ返済しない」と要求した。

 更に深刻な問題は、これまで借金をこつこつ返済していた顧客の間でも借金を返済しないようになる傾向が現れているということだ。

 自営業者の金某(42)さんは延滞金1500万ウォンを貸し換えに転換し、これまで3カ月間返済してきたが、31日にカード会社に電話をかけ「返済能力がない。好きなように処理してくれ」と伝えた。

 Bカード会社の債権取立の担当職員は、「景気低迷と選挙前の期待感などで、債権の回収が一層厳しくなった状況でさまざまな減免政策が発表され、返済を約束した会員までが減免を要求するようになった。借金は返すもの、という基本的な常識が崩壊したことが最大の問題」と話した。

 C銀行の関係者は「政府がモラル低下を助長するとの非難を浴びても債務免除政策を打ち出しているのは、来年の総選挙で不良債務者の割合が高い20、30代の票を獲得しようという、人気取り政策ではないか」とした。

 西江(ソガン)大の金秉柱(キム・ビョンジュ/経済学)教授は「債務者の元金減免は、現在の不良債権者だけでなく、潜在的な不良債権者を量産する可能性もある亡国的な措置。企業のモラル低下が通貨危機を招いたように、個人債務者のモラル低下が韓国経済の新たな危機を招く恐れもある」と指摘した。

羅志弘(ナ・ジホン)記者