朝鮮日報 2004/06/29 20:37
西海交戦遺族が祖国を去りたいと言う理由
北朝鮮の警備艇が北方限界線を越え先制攻撃してきたことに端を発した西海(黄海)交戦で6名の将兵が戦死してから2年が過ぎた。彼らを称える追悼式が昨日、平澤(ピョンテク)海軍第2艦隊司令部内で遺族をはじめ150人が出席した中行われたが、悲しいことこの上なかったという。この知らせより惨憺たる思いがするのは、この社会とこの政府に向け遺族たちが浴びせ掛けた質問と絶叫と絶望感だ。
「西海交戦が起きた時も今のように監査員が来て経緯を監査したのか」
「私の子供たちが死んだ時、どこの誰が謝罪したか」
「他国に金儲けに行き亡くなった人間には地位の高低に関係なく続々と弔問しながら、国のために命を落とした6名の将兵の告別式の際には誰が来たか。政府の人間どころか国防長官や合同参謀会議議長すら参加しなかった政府ではないか」
私たちを惨めにさせているのは「顕忠院(国家のために亡くなった人間が安置される国立墓地)に埋められている子供たちを故郷に連れ帰ろうと思う」というある父親の吐露だ。この父親は今の世の中の動きを見るにつれ北朝鮮の兵士によって命を失った子供は罪人にしかなれないのではと反問しながら、息子の遺体を故郷の先祖の墓の下に連れ返りたいという。
ある親は自分の子供を殺した北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)より米国を敵だとする韓国人の方がさらに恐ろしいと言った。夫を失ったある未亡人が「韓国を去る準備をしている」と言ったことを伝え聞きながらこれ以上国を弁護する勇気すら失ってしまった。
この未亡人は在韓米軍司令官が2周忌を翌日に控え送ってきてくれた慰労の手紙を紹介しながら、「むしろ米国人の方がもっとよく覚えてくれている」としながら、「正直に言って韓国が嫌い」と話したという。
6名の将兵たちは国家の命に従い祖国のため若々しい年齢で命を落とした人間たちだ。この国がまともな国だったなら、告別式には当然大統領が出席したであろうし、彼らは今、西海の英雄として奉られたであろう。しかし彼らの父親は息子の遺体を顕忠院から故郷に移したいとし、その未亡人はこの国を去りたいという。
このままでは今後誰が祖国の危機・難局の前で自らの命を投げ出そうとするだろうか。いや、彼らにこうした陳腐な言葉を吐かせたところで国がどうして厚かましく彼らに国のためといって命を要求することができようか。
もちろん北朝鮮との関係改善も重要だ。しかし南北和解を推進することと、国のために命を落とした彼らをこのように冷遇するのは全く別の問題だ。それは国が国らしくあるのかという品格の問題だ。
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