日本の報道

IHO の仮決定に関する日本の報道を比較。

目次

朝日新聞 国際水路機関が「日本海」の名称白紙化提案 海保反発
時事通信 世界の海図から「日本海」消える?=韓国が主張、巻き返し図る海保
共同通信 「日本海」名称が存亡の危機? 国際水路機関削除
毎日新聞 日本海:呼称見直しを関係国と調整 国際水路機関
日経新聞 国際海図から「日本海」が消える?
産経新聞 主張 あくまでも守り抜きたい
読売新聞 韓国主張で国際海図から「日本海」削除?外務省は抗議
読売新聞 「日本海」名称問題で外務省が反論資料を公表

朝日新聞: 国際水路機関が「日本海」の名称白紙化提案 海保反発
海図の国際指針を定める「国際水路機関」(IHO)は14日までに「日本海(Japan Sea)」の名称白紙化を加盟72カ国に提案した。「日本の植民地政策により押しつけられた名称」との韓国の主張が背景にある。海上保安庁は「韓国の主張は歴史的に間違っている。承服できない」とIHOに抗議し、各国に提案への反対を働きかける方針を決めた。

 IHOは03年にも、各国で作製される海図の指針書を半世紀ぶりに改訂する。提案は、現行版で「日本海」と明記しているページを改訂版から削除するとの内容。「名称問題は日韓両国の協議に委ねる」としている。

 韓国は92年から国連の専門会議などで「東海(East Sea)」への改称を主張し始めた。しかし、海保によると、日本海の名称は韓国併合(1910年)よりはるか前の19世紀前半には世界の海図で定着している。

 白紙化提案は加盟各国の投票で成否が決まる。成立しても、ただちに日本海の名称が通用しなくなるわけではないが、正統性は失われ、各国の海図で「日本海(東海)」と併記されるなどして名称変更がなし崩しで進むおそれがある。すでに米国などで「東海」と表記した地図なども出ているという。

コメント: 何も反発しているのは海上保安庁だけではありません。

時事通信: 世界の海図から「日本海」消える?=韓国が主張、巻き返し図る海保
 国際水路機関(IHO)が定める海の名称に「日本海」を使用するのはやめようと韓国が主張し、政治的な論争に巻き込まれるのを避けたIHO事務局(モナコ)が、改訂される海の名称に関する刊行物で日本海部分を空白にした最終案を用意していることが14日、分かった。海上保安庁は「日本海の名称は19世紀前半に国際的に定着している」として、IHO加盟国に最終案に賛成しないよう呼び掛ける。

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共同通信: 「日本海」名称が存亡の危機? 国際水路機関削除
 政府は14日、世界の海の名称や境界線を記載した国際水路機関(IHO)作成の指針「大洋と海の境界」の改訂版で、日本と韓国の主張が対立している「日本海」のページが削除された最終稿が配布されていることが分かり、同機関に「日本海」と明記するよう抗議した。「日本海」の呼称問題では、韓国が1990年代に入り「日本海の呼称が一般的になったのは日本の植民地主義が原因」として「東海」と改称するか、「日本海」と「東海」の併記を主張している。これに対して、日本政府は「日本海は18世紀末ごろから国際的に定着している」と反論し、調整がつかなかったとみられる。

 「大洋と海の境界」は1953年に作成された海の境界を定めた指針で、各国はこれを基に海図などを作っている。現在、改訂作業中で出版の是非を11月末までに加盟国に回答するよう求めている。「日本海」については関係国である日韓で調整することになっており両国にげたを預けた格好だ。期限までに調整がつかない場合には、改訂版で日本海の部分が呼称無しとなる可能性がある。外務省によると同指針から名称が削除されても、日本国内で出版する地図などが「日本海」の呼称を使えなくなることはなく、一般の地図に直ちに影響するわけではないという。

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毎日新聞: 日本海:呼称見直しを関係国と調整 国際水路機関
 世界の海洋の名称を記載した出版物「大洋と海の境界」の改訂作業を進めている国際水路機関(IHO)が、「日本海」の呼称について、「東海」への改称を求めている韓国や日本など関係国の調整を経て決めたいと加盟国に伝えていることが14日分かった。外務省は「『日本海』は国際的に確立した呼称」と反論し、IHOに近く抗議し、手続きの撤回を求める。

 IHOは国際水路機関条約に基づく政府間機関で72カ国が加盟。「大洋と海の境界」の第3次改訂作業で「日本海」を記載したページを除く最終稿を加盟国に配布し、11月を期限として出版の是非を回答するよう文書で求めた。文書では「日本海」については関係国の調整などを踏まえ、補充すると説明している。

 韓国は「日本海」の呼称が日本の植民地主義を反映しているとして「東海」への改称を主張、少なくとも「日本海」と「東海」の併記を求めている。日本は、18世紀末から国際的に「日本海」が定着し、世界各国の地図の97%以上が使用している、と反論している。

コメント: 「日本海」の定着時期を、18世紀末とする記事と19世紀前半とする記事が入り混じっています。

日経新聞: 国際海図から「日本海」が消える?
 国際海図にある「日本海」の表記を、韓国が「東海」に改めるよう求めている問題で、調整にあたる国際水路機関(IHO)事務局が、来年改訂する国際海図づくりのガイドラインでは「日本海」を削除して空欄とする最終案を加盟国各国に提示していることが14日、分かった。

 これに対し日本政府は「地名統一を目的としたガイドラインが、1カ国の抗議で空白とするのはおかしい」などと抗議すると同時に、加盟72カ国に、最終案に賛成しないよう文書で要請する方針を表明した。

 空欄にすることへの各国の賛否の表明は11月末が期限で、反対多数なら現行通り「日本海」との表記になる。

 日本海を削除する案は今月12日、IHO事務局から海上保安庁に対し、「IHOは政治的問題に関与できない」として示され、名称問題は今後、日韓間の協議に委ねることが告げられた。

コメント: 「反対多数なら現行通り「日本海」との表記になる」と明確に報道しているのは日経だけの模様。

産経新聞: 主張 あくまでも守り抜きたい
【「日本海」呼称】
 船の航海に必要な海図の基準を設定する「国際水路機関」(IHO)が最近、「日本海」の名称をやめる指針書を作り各国へ提案しているという。これは韓国が近年、「日本海」の名称に反対し、自国の名称である「東海」に変えるよう国際機関や各国に訴えてきていることを受けたものだ。今後の成り行きしだいでは、世界地図で「日本海」の名称が消える可能性もある。

 近代以降、国際社会で定着している「日本海」の名前をなぜ今、変えようというのか。一言でいえば韓国の日本に対する特殊な民族感情のせいだ。

 韓国の主張は、「日本海」の名称には日本帝国主義による「日本が支配する海」「日本の海」といった領土的な意味があるため認められないというものである。つまり、まるで「日本海」の呼称が過去の日本による韓国(朝鮮)支配の歴史と関係あるかのように国内世論をあおるとともに、各種の国際会議やセミナーなどを通じ国際社会に向け名称変更を執拗に訴えてきた。

 この結果、すでに一部の国連文書や国際地図、さらにはCNNなど一部の外国マスコミでは韓国からの抗議を受け「日本海」と「東海」を併記する動きが出ている。

 この問題でまずはっきりさせておくべきは「日本海」の名称は日本が勝手に名付けたものではないということだ。一六〇二年に中国在住のイタリア人宣教師マテオリッチが作製した「坤輿万国全図」が最初(推定)といわれるように、外国人が先に命名したのである。また「日本帝国主義の領土欲」など関係なく、十八世紀後半以降、西洋各国の地図で「日本海」が定着し、その後、日本の国際的影響力が広がる中で、国際的に確定したというのが正確な歴史的経緯である。

 したがって韓国の「日本海」批判は事実を歪めた感情論である。関係国の一つであるロシアは何も文句をいっていない。ちなみに「日本海」については日本が最大の沿岸国である。

 国際的地位が向上した韓国が「日本海」でも自己主張したい気持ちは分からないでもない。しかし自国の東にあるという「東海」は国際的には通用しない。韓国の「希望」はともかく「日本海」に愛着が深いわれわれとしては何としても「日本海」は守りたい。

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読売新聞: 韓国主張で国際海図から「日本海」削除?外務省は抗議
 国際水路機関(IHO)が定める海の名称に「日本海」を使うのはやめるべきだと韓国が主張し、同機関が来年改訂する予定の海図「大洋と海の境界」の最終稿から「日本海」を削除していたことが明らかになり、外務省は14日、同機関に抗議し、撤回を求めることを決めた。

 韓国政府は90年代に入り、「日本海の呼称が定着したのは日本の植民地主義が原因だ」などと主張し始め、自国で使用している「東海」に改めるようIHOなどに働きかけていた。

 IHOは政治的紛争に巻き込まれることを敬遠し、「日本海」を載せたページを削除した最終稿を加盟各国に今週配布した。加盟国には最終稿通り出版することの是非を11月30日までに回答するよう求めた。

 外務省は〈1〉日本海の名称は鎖国時代の18世紀末から国際的に定着しており韓国の主張には根拠がない〈2〉2000年の調査で世界各国の地図の97%以上が「日本海」の名称を使っている――などとして、IHOに決定の撤回を求め、加盟各国の理解を求める考えだ。

コメント: 朝日の記事は海保だけで外務省は登場せず、読売はその逆です。

読売新聞: 「日本海」名称問題で外務省が反論資料を公表
 日本海の名称を韓国が「東海」に変えるよう主張している問題で、外務省は15日、日本海の名称が古くから国際的に広く認知されていることを実証する資料を公表した。同省はこの資料を英文で1万部作成し、27日にベルリンで開かれる国連地名標準化会議で各国に配り、「国際的な標準呼称としての『日本海』は完全に確立している」と強くアピールする考えだ。

 資料は、17世紀初頭のイタリア人宣教師の手による世界地図から、19世紀にヨーロッパで作製された地図まで計13枚をカラーで紹介。このうち12枚に日本海の名称があることを示している。

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