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日本のマスコミの報道や、koreawatcher氏による「日本海・東海問題」関連記事を日本語で読むに掲載されていない韓国の記事を中心に載せていきます。

目次

「日本海」か「東海」か 産経新聞の黒田勝弘氏によるコラム「ソウルからヨボセヨ」 '91.9.11
「日本海」論争 産経新聞の黒田勝弘氏によるコラム「ソウルからヨボセヨ」 '92.9.5
「東シナ海」公式文書では「東海」/外務省が中国名使用 “弱腰外交”の象徴?/呼称でも中国に配慮 産経新聞 2000年10月12日の記事
Sea of Japan vs. East Sea 抗議書簡運動が地図作製に影響を及ぼす About.com 2002年2月24日の Matt Rosenberg 氏の記事
「東海の表記、文献で立証する」金新教授 中央日報 2002年4月2日の記事
政府・学会「東海の名を取り戻す」 朝鮮日報 2002年4月10日の記事
中国と韓国の科学者たちが日本海改名を推進 ABC 2002年7月25日の記事
北朝鮮がソウルの海名変更の試みに参加 The Korea Times 2002年7月25日の記事

「日本海」か「東海」か
産経新聞の黒田勝弘氏によるコラム「ソウルからヨボセヨ」 '91.9.11
周知のように朝鮮半島の西側にある海は国際的には「黄海」で、東側は「日本海」となっている。ところが韓国では違っていて、西側は「西海」で東側は「東海」という。地図にも「黄海」「日本海」の名前はなく、そう書いてある。このうち「黄海」はともかく「日本海」が韓国人には気に入らないようなのだ。そのことが最近、日本で盛んにもてはやされている「環日本海なんとか」とか「日本海圏なになに」といった議論に対する韓国サイドの反応で分かった。たとえば先ごろ、日本の敦賀で韓国や北朝鮮、ソ連など周辺各国から人びとが集まって文化、学術イベントが行なわれたが、イベントの正式名称は「環日本海……」なのに、こちらのマスコミ報道では「環東海……」と変えられていた。そのほか、日本側で「環日本海」といっているのはすべて「環東海」に律儀に直してある。
世界地図を見ると、確かに海の名前に一国の名前がついている例はあまりないから「日本海」は珍しいといえば珍しい。ただ、歴史的には欧米人が名付け親で日本人が付けたものではない。ある私的な席で文化関係の政府高官が「”環日本海”などというイベントには今後、代表団は送らない!」と言うので、余興で「じゃあ、新しい名前をつけよう」となった。高官は「極東海」がいいと言い、こちらは「アジア内海」ないし「東アジア海」はどうか、と言ったのだが、さてこの議論はいかがでしょうか。

「日本海」論争
産経新聞の黒田勝弘氏によるコラム「ソウルからヨボセヨ」 '92.9.5
「日本海」という名称がまた韓国で議論の対象になっている。今回は国連の「地名」に関する会議で韓国代表が「日本海」に異議を呈したというニュースが伝えられたことから、改名を要求する声がマスコミをにぎわしている。以前、このコラムで、日本で関心を集めている「環日本海経済圏」など「環日本海」という表現について、韓国では自分たち流にこれを律儀に「環東海」に直して使っているという、いつものナショナリズム現象として紹介したことがある。ところが今回、マスコミなど韓国の世論は「日本海」という名称自体が日本帝国主義の産物だとして、韓国が使っている「東海」とか「韓国海 (SEA OF KOREA)」にすべきと要求している。
「日本海」という名前は当初、ロシアなど諸外国が使ったのが国際的に定着したのではなかったかと記憶しているが、韓国としてはまるで自分たちの立場が無視されているように感じるらしい。国威の上がった現在、その気持ちは分かる。しかし残念なのは、大新聞の社説をはじめ韓国サイドの主張が自分たちの呼称である「東海」にこだわっていることだ。共通の海だから関係国の話し合いで第三の名前にしらた、といった発想がない。当コラムでは既に「極東海」とか「東アジア海」とか「アジア内海」とか議論してはどうか、と書いたはずだが……。と思っていたら、やっと「滄海(BLUE SEA)」というアイデアがマスコミに出た。

「東シナ海」公式文書では「東海」/外務省が中国名使用 “弱腰外交”の象徴?/呼称でも中国に配慮
産経新聞 2000年10月12日の記事
「東シナ海」は「東海」?
外務省は公式文書などで南西諸島から中国東岸に至る海域について「東シナ海」を使わず、「東海」という中国と同じ呼称を使っている。十二日には朱鎔基首相が来日、政府は日中友好ムードを高めるのに躍起となっているが、対等の立場で臨むべき外交交渉の場でも、中国側の固有名に配慮をみせる姿勢に“対中弱腰外交”を指摘する意見もある。(近藤真史)
「東海」は中国の海洋調査船の活動をめぐって進められている相互事前通報制度の枠組みづくりをめぐる日中協議でも一貫して使用されており、九月二十八日に北京で行われた日中協議後の記者会見で、外務省アジア局の佐藤重和参事官は「通常そう呼ぶことになっている」と説明した。
外務省は「東海」について「戦前からの慣行」と説明、根拠の一つとして、昭和五十年に署名された日中漁業協定の文書に「東海」の呼称が使われたことを挙げる。平成九年十一月に署名、今年六月に発効した新たな日中漁業協定でも「東海」が使われているが、水産庁では「昭和五十年の表現をそのまま踏襲したもので、当時なぜ『東海』を使用したかについてはわからない」としている。
海洋の名称は六十九カ国が加盟する国際水路機関(IHO)の刊行物が“基準”となっており、東シナ海については「EAST CHINA SEA(TUNG HAI)」とされている。国内では「水域の名称は運輸省、陸域の名称は建設省で決め、同一のものを使うようにしている」(建設省国土地理院) としており、国土地理院の地図や海上保安庁が作成する海図はすべてIHOに従って「東シナ海」で統一されている。
市販されている地図帳の中ではごく一部に「東シナ海(東海)」としているものもあるが、大半は「東シナ海」のみ。一方で、朝鮮半島周辺の地図で韓国の表記に配慮したのか、「日本海(東海)」としたものもあり、「東海イコール東シナ海」という認識は混乱さえ生じかねない。
しかし、外務省サイドは当面見直す考えはないとしており、今後の交渉などでも引き続き「東海」を使用する考えだ。
こうした姿勢に対し、森本敏拓殖大教授は「外交交渉の場では地名などは自国で使っている呼称を使うのが普通だ。『東シナ海』は国際的にも認められた呼称であり、日本側が『東海』と呼んだのはちょっと理解できない」と指摘している。
コメント: こんなことも、韓国から見れば「東海名称論争を自国に有利なように引っ張ろうとする日本の根拠がない悪巧み」になるようです。詳しくは[東海名称] 市民団体「日本の悪巧み」に反発 (koreawatcher氏による翻訳記事) を参照のこと。

Sea of Japan vs. East Sea 抗議書簡運動が地図作製に影響を及ぼす
About.com 2002年2月24日の Matt Rosenberg 氏の記事 (原文 英語)
一年以上もの間、私は絶え間なく、Voluntary Agency Network of Korea (VANK) の会員から、電子メールの書簡を受信し続けた。彼らは、私のサイトに有る CIA World Factbook の Korea の地図を、Korea の東にある Sea of Japan の名前を East Sea に変更するために編集するように求めてきた。

この"Korea のイメージを高めるために活動する"学生の団体は、地図製作者、さらには国際的な団体さえも、地図に East Sea の名前を使わせようという大規模な email 運動に従事している。VANK の現在の主な訴えは、国際水路機構 (International Hydrographic Organization) が、朝鮮半島と日本列島の間に位置する水域の公式な名前として East Sea を入れるようにというものだ。Korea Times記事によると、IHO を指導する運動は、IHO の来るべき出版物 Limits of Oceans and Seas を見越して、2002 年 1 月 22 日に始まった。(私のサイトの 2000 年 9 月の記事に、IHO が南洋を世界で 5 番目の大洋に含めるかを保留しているというのがあります)

VANK は 1999 年、National Geographic Society に、Sea of Japan の下に括弧付きで East Sea を含めるよう地図を変更させるのに成功した。(Atlas Updates のページで、通告を見られる)

この団体の根拠は単純だ。East Sea には Sea of Japan と同じぐらい沢山の歴史的先例があり、認知されるべきだと彼らは主張している。それに加えて、地名に係争が生じた際には、解決策が定まるまで、両方の名前を国際的に使われる資格を与えるべきだと主張している。そういうわけで、National Geographic やその他の地図製作者は、激しい攻撃の結果、地図を変更してきた。About.com の第一メールボックスは、私のサイトにある CIA の地図に関するメールが一日に約 20 通受け取ったので、私は、大量の回線容量攻撃を止めるためのみならず、係争中の名前を含めるために、その地図に "(East Sea)" を掲載した。彼らの論点について詳しくは、VANK の"East Sea" の歴史的な先例のページを見てください。

私のお気に入りの地理の参考書 Merriam-Webster's Geographical Dictionary (1997 年出版) には、East Sea への言及がないものの、オンライン American Heritage Dictionary は、Sea of Japan の項目に、括弧表記で "(East Sea)" を収録している。どうやら、VANK の運動は、その地理的な地形の名前を変更するのにかなりの成功を収めてきたようだ。人は思うだろう。次はどの地名が電子メールの運動によって変更されるのだろうかと。

以下は私が受け取った大量のメールの一つの写しです。

拝啓

最近私はあなたがたの団体のウェブサイトを訪問し、あなたの Korea と日本の地図が未だに Korea の East Sea を間違った Sea of Japan と説明しているのをみて非常に驚きました。

あなたがたのサイトのように有名なウェブサイトにこのような誤りがあるのは、我々はあなたがたを世界でもっとも優れたサイトの一つとみなしているので驚きです。

参考までに、世界で最も大きな商業地図製作社 National Geographic と旅行ガイド本の Lonely Planet Publication が、East Sea の名前を今から使うと我々に約束してくれました。

さらに、lycos.com は既に、我々が誤りを指摘してから、'East Sea' の名前をウェブサイトで使用しています。

韓半島と日本列島の間の水域に対して適切な名前を使うのは、単に地理的な地形の名前を変更することの探求のみではありません。

むしろ、それは Korea の人々による、植民地時代の過去の遺物を拭い去り、その結果たる不正を正す国民的な努力の一環です。

だから、私はあなたがたに要求します。あなたがたのすべたの文書と地図で、問題の水域を説明するのに、East Sea を使うか、もしくは Korea と日本の求める表記を併記 (例えば East Sea/Sea of Japan) するように要求します。

一旦 Korea と日本が国際製図法の原則に則った共通の表記に合意すれば、我々は合意した表記に従います。

ありがとう、そしてあなたがたの善処に感謝します。

敬具
VANK, Voluntary Agency Network of Korea, consisted of 4500 Korean voluntary students

コメント: VANK 側の主張を一方的に掲載している点が気になります。何でも植民地と結び付ければ韓国側のいつものパターンにまんまとはまっています。

この記事については同じサイトの Geography Forum で議論されているので、覗いてみてはいかがでしょうか。


「東海の表記、文献で立証する」金新教授
中央日報 2002年4月2日の記事
慶煕(キョンヒ)大学国際経営学部の金新(キム・シン、53)教授が『東海と国際水路機構』(トゥナム)を編集、出版した。
金教授はこの本で早くも1615年に東海(トンへ、日本名・日本海)を韓国海に規定したポルトガルの世界地図から全世界200余りの古地図など数百種の文献を探し、東海が日本海(Sea of Japan)だという日本側の主張を反駁した。
金教授は「日本は1937年以後『内陸海』、『瀬戸内海』、『日本海』などを混用してきたことを文献調査で明らかにした」と話した。
同教授は99年から国内の大学教授170余人が集まって作った「東海フォーラム」(www.eastsea.org)の会長であり、『失われた東海を探して』(97年)、『EAST SEA』(2001年)などの本も出している。
同教授は東海フォーラムのホームページを通じて、外国の大学・国際機構などに東海という名称の歴史的根拠と関連した資料を提供してきた。昨年、ハーバード・コロンビア大など世界24の大学図書館に関連文献を送った。
同教授は「今月14日、全世界の海・海峡の名を命名する国際水路機構総会でこの本が韓国側の証拠として使われることを願う」と話している。
コメント: 『瀬戸内海』のあたり、何か激しく勘違いしているようです。

政府・学会「東海の名を取り戻す」
朝鮮日報 2002年4月10日の記事
 「独(トク)島は日本の領土」という内容を盛り込んだ歴史教科書が日本政府の検定を通過したことが論議となっている中、韓国政府と学会が共同で、国際社会において「東海」の名の取り戻す作業に取り掛かる。

 ソウル大学の李埼錫(イ・ギソク/地理教育学科)教授と外交通商部、海洋水産部の関係者など6人は、今月13日から21日まで、フランスのモナコで開催される「第16次国際水路機関(IHO)」に出席するため、11日出国する。

 IHOは70カ国の会員国を持つ世界の海の名称を標準化する機構で、この機構が非定期的的に発刊する「海洋と海の限界(Limits of Oceans and Seas)」に掲載された地名は、全世界の主な地図製作会社が公式名として採択している。

 この機構は1929年以降、1986年まで計3回にわたって発刊した本には、「東海」を引き続き「日本海(Sea of Japan)」と表記、これまで国内の学会がこれを是正するための努力を続けてきた。

 李教授は「昨年12月にIHOが東海(East Sea)と日本海を併記した『海洋と海の限界』を発刊しようとしたが、日本側の妨害で延期され、発刊が遅れている」とし、「今回は広報用のパンフレット300冊を準備し、会議の出席者に配るなど、“東海”の名が表記されるよう、多様な活動を繰り広げる予定」と話した。

 今回の広報パンフレットには1771年のブリタニカ百科事典をはじめ、東海を「東海」、または「韓国海(Sea of Korea)」と表記した17〜19世紀の世界各国の地図や書籍188点が紹介されている。


中国と韓国の科学者たちが日本海改名を推進
ABC (豪) 2002年7月25日の記事 (原文 英語)
中国と韓国の科学者たちは、日本海は改名すべきだと要求し、およそ 80 年前に与えられたその係争中の名前が違法だと主張している。

訴えは、ロシアの太平洋港ウラジオストックで開催され、中国、ロシア、フランス、そして日本の専門家が参加した地理的名称に関する国際セミナーで表明された。

「およそ 78 年前、日本は、当時朝鮮半島と中国の一部を占領していたのだが、国際地理学会にその海を改名するよう要請した。」とロシアの太平洋地理協会のセルゲイ・ガンゼイ氏は説明した。

「この決定は、中国も Korea のいかなる同意もなくなされた。」と彼は付け加えた。

この二つの国は、決してその海を現在の公式名で呼ばす、Eastern Sea と呼び変え、その海の歴史的な名前に戻す運動を長い間行ってきた。

コメント: 妙な記事です。日本が国際舞台に登場する以前から Sea of Japan という名称は普及していました。韓国が主張しているのは Eastern Sea ではなく、East Sea ですし、中国は政府発行の地図で「日本海」を採用しています。それに中国にとって東海は「東シナ海」です。おまけに朝鮮半島以外で日本海が「東海」と呼ばれたことはありません。

北朝鮮がソウルの海名変更の試みに参加
The Korea Times 2002年7月25日の記事 (原文 英語)
ソウル (連合) _ 木曜の政府筋の情報によると、北朝鮮は、国際水路機構 (IHO) が、年内に出す予定の "Limits of Oceans and Seas" の第 4 版に "East Sea/Sea of Japan" という用語を採用するよう働きかけるのに南と共同歩調をとるのに合意した。

「現在まで、北朝鮮は、現在の "Sea of Japan" という名前を変えようという南の運動に沈黙を守ってきた。」と政府高官は匿名を条件に語った。「しかし、北はついに南の取り組みに加わることに合意した。」

IHO は、朝鮮が日本の植民地支配下にあった 1929 年に初めてこの一覧書を出版した。その時以来、この本は 3 回改訂され、今年また改定される。

韓国は、1957 年の IHO 加盟直後に、"Sea of Japan" という用語は "East Sea" に変更すべきだと要求し始めた。

韓国政府は、数年間東京と交渉した後、その水域を IHO の本で "East Sea/Sea of Japan" と呼ぶよう要求しているが、日本はいかなる変更も拒絶している。

その IHO の出版物の以前の版は海の境界を描いており、第 4 版も海図を収録することになる。

コメント: 北朝鮮は East Sea of Korea と呼ぶよう要求してきました。

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